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太宰府天満宮本地仏

かつては「太宰府天満宮」に安置されておりました、十一面観音菩薩・不動明王・毘沙門天の「三位一体」のご仏像です。

平安時代中頃から明治時代初頭までの太宰府天満宮は「天原山安楽寺天満宮」といわれ、仏教寺院でもありました。

明治初期の神仏分離令を受ける形で、安楽寺は廃寺(神社として存続)。結果として、仏教資産の多くが取り壊され、仏像・仏具関係は、流出などの形で失われていくことになりました。

その渦中、大興善寺が譲り受けた像がこちらになります。

安楽寺天満宮において、これらの像は、心地池の中島の「本地堂」に、ご本尊として安置されておりました。

菅原道真公は、十一面観世音菩薩を本地に持つ神様として昔は伝えられ、こちらの座像も、太宰府安楽寺天満宮にて、神と仏を一体にみる本地垂迹思想に基づき信仰されていたと思われます。

本尊に観世音菩薩、脇士に毘沙門天・不動明王といった三尊構成は、比叡山横川中堂の形式に倣った天台宗独特のものであります。

各像は建立された年代が異なります。十一面観世音菩薩が江戸時代(面部分は室町時代)。毘沙門天は室町時代。不動明王は平安時代作であり、太宰府安楽寺天満宮を由来に持つご仏像としては、現存する最古のものです。

神仏習合のなかで、大いなる法力を降らしてきたこの三体の尊像は、現在も大興善寺の中で、参拝者に「観音妙智力」のお力を授けてくださっております。
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