あけましておめでとうございます。大興善寺住職です。
幸福の猫モモといっしょの写真にて、冒頭挨拶差し上げます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も大興善寺をよろしくお願い申し上げます。
節目の年を迎え
平成最後の年そして新元号の年を迎えることになりました。大興善寺におきましても節目の年となります。
本年は、茅葺屋根の葺き替えの年。
寺は創建以来、草庵様式の本堂を保ってまいりました。
伝統的に草庵を本堂にもつ寺院は、全国的にも珍しい部類に入るのではないでしょうか。
私が幼き頃は、珍しくもなかった草葺の屋根。そして葺き替え作業。しかしながら、昭和・平成と近代化の時代を歩むとともに、当地でも、その文化が廃れることになりました。
平成時代の葺き替えを振り返り
大興善寺の歴史は葺き替えの歴史でもあります。
歴史を重ねる中で、幾度となく本堂の葺き替えが行われ、それが当然の風習として定着していったのでしょう。
ですが、時代背景とともにその技術や人材も失われることになりました。
昭和時代に途絶えた地域の茅葺き技術。昭和末期には、その技術を持つ職人さんを探すのも一苦労でした。
そのような状況で、平成時代を迎えます。
平成元年に入り、大分県日田市の「奥日田美建」さんをご紹介いただき、屋根の葺き替えを担当いただくことになりました。
以来30年余り、お付き合いさせていただいております。
専門家集団による2県またいでの葺き替え作業となりますので、金銭面での負担が重くのしかかるのは難儀でしたが、平成時代を通じ、草庵文化が守られる形になりました。
大興善寺ならではの風合い

おかげさまで、本堂を中心とした茅葺屋根の佇まい。そして季節ならではの花や緑や紅葉がカラフルに織りなす景観が、大興善寺特有の世界を醸し出しております。

平成最終年そして新年号元年は、葺き替え前の苔むす本堂。きれいに葺き替えられた本堂。といった風情も楽しんでいただけるでしょう。
例年にもまして、寺を彩る様々な場面に触れる折、尊さを抱いていただきましたら幸甚に存じます。
参拝・観光を問わず、何かしらご用がございましたら、お気軽にお訪ねください。
節目の年、皆様にとりまして、いい一年になりますようお祈り申し上げます。
平成31年元日 大興善寺住職 神原玄應