太宰府「妙香庵」にて植樹祭参加

時事僧論の話題探し

延暦寺発行の月刊誌「比叡山時報」に掲載のコラム「時事僧論」。

時期に適した話題を提供して、読者に、比叡山延暦寺や天台宗の活動について周知を図ることを役目と心得ております。

11月号は私(大興善寺住職)が担当することになり、できれば九州ならではの情報を発信したいと話題探し。

原稿締切の日が近づくにつれ、心穏やかではいられなくなります。

そのさなか、太宰府市「宝満山妙香庵」のご住職よりお電話をいただきました。

東京在住のアメリカ人女性歴史研究家「阿南・ヴァージニア・史代」女史(以降、阿南さん)が、11月9日、妙香庵にお越しになるとのお話。

早速、詳細を伺うため車を運転し、太宰府市内山の「竈門神社」付近にあります妙香庵にまいりました。

そのいきさつが、格好の話題ということで、時事僧論に書き上げることになりました。

(この話は、11月9日発行の「比叡山時報」11月号に掲載されております)

円仁さまがご縁

このいきさつ。平安時代の名僧「円仁」(慈覚大師)さまが絡んでおります。

大興善寺は、太宰府滞在中の円仁さまが中興されたと伝えられる寺院。

そのご縁もあり、阿南さんが「太宰府」を訪れ、植樹されたい件、ご連絡いただきました。

円仁さまは、日本最後の遣唐使。

日本を離れ法を求めて唐に渡られます。そして唐で過ごされた足掛け10年に及ぶ求法の旅を経て、その日々の出来事を記されてた日記を残されました。

それが「入唐求法巡礼行記」(にっとうぐほう じゅんらいこうき)で、この書は学術的にも高く評価され「世界三大旅行記」の一つと言われています。

漢字だけで書かれたこの書の価値を高く評価し、英訳して世界中に紹介された、かつてアメリカの駐日大使を勤められたライシャワー博士の功績です。

また博士の学位論文のテーマも円仁さまに関する研究と伺っております。

阿南・ヴァージニア・史代さん

阿南さんも、著名な円仁さま研究家。

アメリカ生まれの女性歴史学者が20年に渉り円仁さまの研究に没頭。遂には、円仁さまの足跡を辿って中国に渡り、25年に渉って実地に詳細を調べ、夙に写真集としてその活動の模様を紹介されております。

日本の外交官「阿南惟茂氏」(元中国大使)と結婚し、現在は日本国籍を得て「阿南史代さん」となっておられます。

植樹行事の中心人物

阿南さんは、長い間、中国で円仁さまの遺跡を訪れ、感謝の意を以って「唐グリーンロード計画」として植樹を続けてこられました。

今回の催しは、その日本版として展開される植樹とお伺いしておりました。

山形県「山寺 立石寺」に続いて、九州太宰府での植樹です。

11月9日に植樹祭参加

この植樹の催し。私も来賓として参加させていただきました。

山寺から「清原名誉住職」がお出ましと聞いておりましたが、遠路のためため叶わず、法縁の山形県和光院住職「和田善照師」が代理として、お師匠さまより五鈷と山寺の法水を託されて植樹の法要をなさいました。

宝満山歴史研究の第一人者「森弘子先生」もお出でになっておられました。

今回、植えられた樹は「槐」(えんじゅ)といいます。中国原産の、昔から尊貴の木として重宝されているとのことです。

この木が伝教大師さまの大きなお像の前に植えられ、大きく成長する姿に、未来への夢が膨らんでいく印象を受けました。

妙香庵ご住職「森妙香師」素晴らしいい遠来の客を迎えて、喜び一入とお見受けしました。

植樹祭参加の方々

当日の写真も撮らせていただきました。

右から山形和光院「和田住職」「私(神原)」 妙香庵「森妙香住職」「阿南史代女史」。私の後は、右から「阿南惟茂氏」「森弘子先生」です。